香水は濃度で種類が分かれる!香水選びに知っておきたい知識を解説!

香水に興味はあるものの、いざ購入しようと思っても、たくさんの種類があって困惑してしまいますよね。

香水とひとくくりにしても、濃度や形状、成分によって香りの強さや持続時間が変わります。

今回は、そんな香水の基礎知識として香水の種類や、香料の違い、香りの立ち方などについて解説します。

香水の違いを把握して、お気に入りのものを探してみてくださいね。

香水とは

香水とは、香料をアルコールに溶かして蒸留水で割ったものをいいます。

よく「フレグランス」や「コロン」といった名称も耳にしますよね。

「フレグランス」とは全般的に香りがする製品のことを指し、「コロン」とは香水の一種です。

つまり、香水とコロンはフレグランスの一種ということになります。

香水には4つの種類がある(厳密には5種類)

香水は主に、アルコールに溶かした香料の割合によって、5つの種類に分けられます。

香料の割合のことを「賦香率(ふこうりつ)」と呼び、「パルファム」「オードパルファム」「オードトワレ」「オーデコロン」「オーデサントゥール」に分類されます。

「オーデサントゥール」に分類される多くの香水は、アルコールを使用していない香水で、日本ではあまり普及していません。
最近は「オーデサントゥール」を除いた4種類で分類されることが一般的です。

賦香率が高い程香りの持続時間が長くなり、価格も高くなる傾向があります。

実は香水の名称を決めるガイドラインはない

香水は賦香率によって5つに分類されるとお伝えしました。

しかし実際には香水を分類するための共通したガイドラインや、法律などの規制はありません。

香水メーカーは商品の名称を決める際に独自の基準で「パルファム」や「オードパルファム」などの分類ができるのです。

そのためネットで検索しても、サイトによって香水の種類に書かれた賦香率が違うこともしばしば見受けられます。

あくまで参考として活用してみてください。

香水の種類

自分に合った香水を見つけるためには、香水の種類を把握する必要があります。

香水選びにはさまざまな香りに目が向けられがちですが、それらを自分好みのスタイルで香らせるには、香水の種類選びが大切になります。

こちらでは香水を5つに分類して、特徴や使い方についてご紹介します。

パルファム

香水の王様ともいえるのがこちらの「パルファム」です。

5つに分類される香水の中では最も賦香率が高く、香りの持続時間が長いといった特徴があります。

その分、他の香水と比べると価格は高めに設定されますが、少量でもしっかりと長く香るため、お気に入りのものが見つかれば購入してみるのもよいでしょう。

パルファムをつける際には、つけすぎに注意しましょう。

液体タイプであれば1滴、スプレータイプでは1プッシュで十分に香ります。

賦香率:15〜30%
持続時間:5〜12時間

オードパルファム

パルファムに近い賦香率でありながら、価格はリーズナブルなのがオードパルファムの魅力です。

香りの種類も豊富なため、好みの香水を探しやすいでしょう。

パルファムよりも香料の濃度は低いものの、こちらも少量でしっかりと香ります。

旅行やデートなど、長時間の外出時などにもおすすめです。つけすぎに注意しながら、日常使いの香水として重宝するでしょう。

つける量の目安はスプレータイプのもので1〜3プッシュ程度です。使いながら心地の良い量を探してみてくださいね。

賦香率:10〜15%
持続時間:5〜12時間

オードトワレ

オードトワレは、ふんわりと優しく香るため、強い香りが苦手な人にも使いやすい種類です。

香りの持続時間も短めなので、香水初心者の方も挑戦しやすいでしょう。

普段使いに最適で、朝と夜でつける香りの種類を変えるなどのアレンジを楽しむこともできます。

オードトワレをつける際は、2〜4プッシュ程度を出かける際にシュッとふきかけましょう。

「香りが弱くなってきたな」と感じたら、再度付け加えます。

賦香率:5〜10%
持続時間:2〜5時間

オーデコロン

ライトにつけられるオーデコロンは、強い香りが苦手な方におすすめです。

仕事中や休日に「リフレッシュしたいな」という場面で活躍します。スポーツやシャワーの後に使えば爽快感が得られるでしょう。

オーデコロンは香りの持続時間も短く、ひかえめの香りが特徴です。

つける量は多少多くても問題ありません。その日の気分にあわせて、つける量を調節しましょう。

賦香率:1〜5%
持続時間:1〜2時間

オーデサントゥール

オーデサントゥールは、上記の香水と違い、多くの商品でアルコールが使用されていません。

日本ではあまり普及していないものの、海外では子どもも安心してつけられる香水として知名度があります。

アルコールフリーでお肌にも優しいため、子どもや学生の方にもプレゼントとして贈りやすいですね。

オーデサントゥールは子ども用としてだけでなく、大人の方にもおすすめです。

アルコールが苦手な方でも使用でき、オフィスやビジネスの場でも使用しやすいでしょう。

エタノール濃度:1〜3%
持続時間:1〜2時間

その他の香水

ここまでは香水の分類として、賦香率別に分けてご紹介しました。

しかし、香水には上記5つのタイプ以外にも、形状などによって異なる種類が存在します。

こちらでは、「その他の香水」としていくつかの香りの形態をみていきましょう。

練り香水

練り香水とは、香料をオイルやシアバターなどに練り込んで固形にしたタイプの香水です。

アルコールを含まない練り香水は、通常の香水と比べてやさしくふんわりと香ります。

強い香りは期待できませんが、アルコール成分が苦手な方におすすめです。

練り香水をつける際には、血管が通っている部位に少量をなじませてみましょう。

おすすめは、手首や耳の後ろ、足首などです。体温で温められることで香り立ちがよくなり、より長く香りを楽しめます。

また、練り香水に使われる成分には、ミツロウなど保湿効果を含むものもあります。

指先になじませることで、乾燥が防げてネイルバームとしても活躍しますよ。

最後に、練り香水は髪の毛にもつける方法もおすすめです。

乾燥しがちな毛先を中心になじませれば、ヘアワックスとして使いながら、好きな香りを楽しめます。

フレグランス

「フレグランス」は、幅広い芳香製品に対して使われる名称です。

香水もフレグランスの一つですが、その他に身近なものでいえば、化粧品やトイレタリー製品、ハウスホールド製品や芳香剤などがあります。

食品の香り付けに使用される香料以外の香料を「フレグランス」と呼ぶことができるのですね。

ちなみに「アロマ」や「フレーバー」も香りを意味する言葉としてよく耳にします。

アロマは、ギリシャ語を語源とし「香草や香辛料」といった植物を原料とした香りを指します。

フレーバーは食品香料のことで、食べ物に香りを付与することを目的にしている香料を指します。

ボディミスト

ボディミストとは、化粧水に香りがついたものを指します。

アルコールを含んでいるものは少なく、多くの製品に美容成分が配合されているのが特徴です。

リネンスプレーとして、衣類や寝具などに使用したり、ルームスプレーとして活用したりできます。

香りの持続時間は、1時間程度でライトに香ります。

そのため、外出先でも香りをつけ足せるように、持ち運びしやすいサイズのものを選ぶと便利ですよ。

ボディミストの中には、美容成分や日焼け防止効果、虫除け効果が期待できる成分を配合したものがあります。

キャンプやガーデニングの際など、シーンに合わせて使えるのもうれしいポイントです。

香水には女性用と男性用がある?

香水は女性・男性問わず、多くの方に愛されるアイテムです。

そのため香水売り場にはさまざまな商品が並んでおり、女性用・男性用の香水を一目で見つけるのは難しいことがあります。

一般的に女性用の香水に「女性用」という表示はあまり見かけません。

好みの香りであれば、男女どちらが使っても問題ないということです。

しかし、主に紳士用品を扱うブランドで、女性用の香水を販売している場合には「女性用」の表記がされる場合があります。

一方で、紳士用には多くの場合「男性用」と意味する表記がされているのが特徴です。

香水の名称などには英語やフランス語など、ブランドによって表記につかわれる言語がことなります。

以下では、英語、フランス語の表示例をご紹介します。

「女性用」・「男性用」の表事例

【女性用の表事例】
英語:For Woman(フォーウーマン)・For Her(フォーハー)
フランス語:Pour Femme(プールフェム)・Pour Elle(プールエル)

【男性用の表事例】
英語:For Men(フォーメン)・For Him(フォーヒム)
フランス語:Pour Homme(プールオム)・Homme(オム)

香水の香料には違いがある?

香水に使用される香料には、主に天然香料と合成香料があります。

香水はこれら原料の種類によっても価格が変わることがあります。

では、この2つの香料にはどのような違いがあるのでしょうか。わかりやすく解説していきます。

天然香料

天然香料には、植物性と動物性の2種類があります。植物性は種子や木を原料として、香り成分を抽出します。

一方動物性は、名前の通り動物から取れる香り成分を使用しています。

これらの天然香料は、植物性・動物性どちらも高値で取引されるのが特徴です。

植物性香料

主に植物の花や葉、果実、果皮、種子や樹脂などから抽出される香料をいいます。

成分を抽出するまでには大量の原料植物や時間、手間がかかるため、価値が高く、高価なものとして扱われます。

「精油」や「エッセンシャルオイル」は、100%天然の植物性香料のことを指します。

精油1Kgを抽出するには、バラであれば3〜5トン、ラベンダーでは花穂が100〜200Kg必要となります。

動物性香料

動物性の香料の中で有名なのが「ムスク」の香りです。

これは、インドやネパールなどの山岳地帯に生息する雄のジャコウジカの生殖腺分泌物を香料として使用しているものです。

ムスクの他にも動物性の天然香料には、以下の3つがあります。

  • シベット(ジャコウネコ)
  • アンバーグリス(マッコウクジラ)
  • カストリウム(ビーバー)

近年では動物保護の観念が強まり、こうした動物性の香料の多くが合成香料へ移行しています。

合成香料

合成香料は「単離香料」と「半合成香料」、「合成香料」の3種類に分類されます。

合成香料の種類は3000を超え、そのうち主に市場で取引されているものは約500種類とされています。

合成香料は気象や産地の生産状況に影響を受けることが少なく、安定した品質が保てるのが特徴です。

そのため、大量生産が可能になり安価で取引されます。

単離香料

単利香料は、天然香料から必要な香り成分だけを化学処理によって取り出して作られます。

ハッカ油から抽出されたメントールなどが有名です。

半合成香料

単離香料を原料として化学合成をして作られる香料です。

有名な半合成香料には、バニラの香りとして使用されるバニリンがあります。

合成香料

合成香料は天然香料を分析し、化学的に化合物として作られるものです。

スズランやスミレなどは天然香料としての抽出が難しいため、合成香料が多く使用されます。

香りの立ち方

香水はつけてからの時間によって香りが変化します。

香水によってブレンドされている香料は異なり、肌につけた際に、揮発性の高いものから順番に香る特性があります。

この変化する香りは大きく3つに分けられます。どのような違いがあるのかみていきましょう。

トップノート

香水を肌につけてから最初に感じる香りを「トップノート」といいます。

香料の中では最も揮発性が高い性質をもち、つけてからおよそ5〜10分の間に香るのが特徴です。

レモンやベルガモットなどのカンキツ系の香りがこれに当てはまります。

ミドルノート

トップノートの次にやってくるのが「ミドルノート」の香りです。

つけてからおよそ30分〜2時間のあいだに香ります。

ミドルノートで香る香りは、その香水の「代表の香り」となりやすいため、個性を表現するためには大切な要素です。

ブレンドされている香りがよいバランスで現れるのが特徴です。

ラストノート

香水を肌につけてから、およそ2時間後から香りがなくなるまでの間をラストノート(またはベースノート)と呼びます。

香水をつける人の体臭によっても香り方が変わる魅力があり、香りの持続が長いサンダルウッドやムスクなどの香料を感じられます。

お気に入りの香水を見つけるためには

香水の種類や成分の違いがわかれば、お気に入りの香水を探しにいってみましょう。

香りは人それぞれ好みが分かれたり、ブランドによって含まれる成分の量などが違ったりするため、実際にデパートや香水専門店で香りを試してみるのをおすすめします。

店舗ではムエット(匂い紙)に香水をふって香りを試すことや、試供品をもらうことができる場合もあります。

好きな香りの目星がたったら、自分の肌につけてみて香りの立ち方も確認してみるとよいでしょう。

まとめ

香水はたくさん種類があるため、選ぶのが難しいと感じる方も多いでしょう。

しかし、香水の種類や成分を知れば、どのような香水がほしいのかを、いくつかに絞ることができます。

しっかり香って持続時間の長いものがほしいのか、もしくは気分転換に使えるライトなものがほしいのかなど、どのような使い方が自分に合っているのかを考えてみましょう。

また、強い香りやアルコールが苦手な方には、練り香水などのアルコールフリーのものであればプレゼントとしても贈りやすいですね。

みなさんも好みの香りを身にまとい、日々の生活を少し華やかにしてみませんか。

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