香水の香りにはどんな種類があるの?香りの種類と特徴を紹介
「香水」と一言で言っても、香りの種類はたくさんあり、その香りの印象は大きく違います。つける香水により、あなた自身の印象が変わると言っても過言ではないでしょう。
しかし、香水はたくさんの種類があるので、自分の好きな香りを見つけることはなかなか難しいですよね。
そこで、香りの種類の基本を押さえておけば、自分に合った香水を選びやすくなるのです。
今回は、香りの種類の基礎と、香りの種類ごとの特徴をご紹介します。
香りの種類の基礎知識
香りの種類を分類する時に、まず知っておくべき用語が「ノート(香調)」です。
「ノート(香調)」と言われてもあまりピンとこない人が多いと思います。
「ノート(香調)」とは?
「ノート(香調)」とは、香りの全体のイメージを表す言葉です。
香水の香りについて、「フローラル系の香りがする」「シトラス系の香りがする」などと表現することがありますよね。
それがまさに「ノート(香調)」です。
「ノート(香調)」にはさまざまな種類があるので、香りの種類の全体像を押さえておくと良いですよ。
香水を買いにショップへ行けば、「ノート(香調)」の説明があるので、香りの種類を知っていれば、自分好みの香水を選ぶ近道になります。
時間によって変化するノート(香調)
香水は、何十種類、何百種類もの香料をアルコールに混ぜて作られています。
そのため、肌につけた時に、揮発性の高い香料が始めに香り、順番に香りが変化していく特性があるのです。
この香りの変化の過程は、「トップノート」「ミドルノート」「ラストノート」の大きく3つに分けられます。
トップノート
香水をつけてから5~30分程度の香り。
ブレンドした香料の中で一番揮発性の高い香りを感じます。
アルコールが多く入っている香水ほど、このトップノートが強く香る傾向があるようです。
トップノートには、レモンやベルガモットなど柑橘系の香りやりんごなどのフルーティな香料が使われます。
ミドルノート
香水をつけてから30分~1時間程度の香り。
その香水の個性や特徴となる香りを感じられます。
配合されている香料がバランス良く感じられるのはこの時間帯の部分となります。
曲で言うところのサビにあたり、香水のメインとなる部分です。
一般的にミドルノートには、フローラルやスパイスなどの香料が使われます。
香水の中心となる香りなので、ミドルノートの香りが好みかどうかで、香水を選ぶと良いかもしれません。
ラストノート
香水をつけてから2時間以降、香りが消えかけて残り香となるまでの香り。
つけている人の体温などにより、人それぞれの香りに変化します。
ラストノートは、サンダルウッドやバニラ、ムスクなど香りの保留性が高い動物性の香りが残る傾向。
最後まで残る香りなので、ラストノートが好みの香りの香水をつけると、飽きずに使うことができるでしょう。
このように、香水の香りは時間の経過と共に変化するので、お店に買いに行ってテスターをつけた瞬間の香りで判断してしまうと、思っていたのとは違う香りになってしまう可能性があります。
香水を選ぶ際は、少し時間を置いた時の香りもチェックした方が良いでしょう。
香りの種類の詳細について
香水の香りの全体のイメージを表す「ノート(香調)」は、具体的にどのような種類があるのでしょうか。
香水の香りとして知られている12種類の香り(香調)をご紹介いたします。
フローラル
花のイメージの香りのこと。
後述する「シトラス」と並び、香水の基本となる香りです。
ローズやジャスミン、スズランなど1種類の花の香りのものを「シングルフローラル」、さまざまな花の香りをミックスしたものを「フローラルブーケ」と呼びます。
「シングルフローラル」の香水は実はあまりなく、「フローラルブーケ」が主流。
まるでブーケのように多くの種類の花の香りを調香でき、複雑な香りを表現できるため、種類が多くなるのだと考えられます。
フルーティ
りんごや桃、カシスやメロン、梨、ラズベリーなどのフルーツの甘酸っぱい香りを表現した香りのこと。
柑橘系のフルーツは「シトラス」と呼ばれるので、「フルーティ」は柑橘系以外のフルーツの香り、と覚えておくと良いでしょう。
フルーツの甘さだけでなく、みずみずしさも表現した香りです。
シトラス
グレープフルーツやレモン、ライム、オレンジ、ベルガモットなどの柑橘系の香りのこと。
「フローラル」と並び、香水の基本の香りです。
ほとんどの香水のトップノートにはシトラスの香りが使われていると言えるのではないでしょうか。
シトラスは単に柑橘系の爽やかな香りというだけでなく、他の種類の香りと組み合わせることにより、香りに変化を出せるという特徴があります。
そのため、多くの香水にシトラスの香りが使われているのです。
マリン
海や海藻、潮風などをイメージしたソルティーな香りのこと。
シトラスやハーバル、フルーティ、フローラルなどさまざまなノート(香調)を組み合わせることにより表現されています。
合成香料が使われることも多いようです。夏にぴったりな透明感のある爽やかな香りが特徴。
ハーバル
ハーブ系の香りのこと。
「ハーバル」は「薬草」という意味で、薬草の葉や種、根などから抽出される精油の香りが中心となります。
薬草っぽい香りやスパイシーな香りだけでなく、清涼感のある香りも含まれます。
すっきりした爽やかな香りです。
ウッディ
樹木のような香りのこと。
森の中のしっとりした土や木、森の中の空気に包まれるような感覚を感じさせられる香りを総称してウッディと呼ぶことが多いです。
白檀やシダーウッドなどの木が主な原料ですが、ウッディノートに使用される樹木の種類は幅広く、樹木以外にもシソ科の植物の葉や、イネ科の植物の根などを使うこともあります。
使われる植物の種類が多いので、香りの個性豊かなところも特徴。力強く、落ち着きのある香りです。
スパイシー
コショウに代表されるようなスパイスの香りのこと。
コショウやカルダモン、クミンのようなピリッとした香りだけでなく、シナモンの甘い香りも「スパイシー」に分類されます。
12種類の香調の中でも、力強さがあって個性的な香りなので、スタイリッシュな印象。
「スパイシー」の香りは幅広いので、夏場はコショウやジンジャー、冬場はシナモンやアニスなど、季節によって香水の香りを使い分けることが多いです。
グルマン
バニラやキャラメル、砂糖などの、スイーツのような甘い香りのこと。
ちなみに「グルマン」とはフランス語で「食いしん坊」という意味なんですよ。
グルマンノートで使われている主な香りはバニラ。
甘い香りが際立っているので、かわいらしい印象になるのが特徴です。
濃厚な香りなので、グルマンの香りの香水は、寒くて乾燥している秋冬にぴったりでしょう。
シプレ
シプレは、1971年にフランスにあった香水の会社「Coty社」が販売していた「シプレ」という香水が由来になっています。
ベルガモットなどのシトラスの香りに、樫の木に生えるコケから作られる香料「オークモス」の香りを組み合わせていて、幻想的な香りが特徴。
オークモスは湿った土や木を想像させる香りがして、シトラスと合わせることによりミステリアスな印象になります。
奥深い香りなので、清楚な雰囲気も演出できるでしょう。
バルサム
樹木から出た樹脂を原料とした香り。
ほんのり甘く、個性的でミステリアスな香りが特徴です。
東南アジアに多く生息する熱帯の樹木「ベンゾイン」や、南アメリカのマツ科の植物「ペルーバルサム」などの樹脂が多く使用されます。
「ベンゾイン」は「安息香」とも呼ばれ、バニラのような香りが特徴で、心に安らぎを与える効果のある香りとして有名です。
また、「ペルーバルサム」は、ウッディな香りとシナモンやバニラのような甘い香りを併せ持つことが特徴。
バルサムの香りは独特なものが多いですが、どれも心が落ち着くような香りがします。
フゼア
ラベンダーやオークモスに、桜の葉などに含まれるクマリンという甘い香りのする香料を中心に作られた香り。
クマリンは、桜餅やバニラのような香りがするんですよ。
ちなみに、フランス語で「シダ」という意味の「フジェール」の日本語読みが「フゼア」ですが、「フゼア」にはシダ植物は使われていません。
シダ植物をイメージしているというわけです。
フゼアノートに使われる香料は特定のものがあるわけではなく、さまざまな香料の組み合わせにより完成したもので、その組み合わせが「ノート(香調)」となっています。
フゼアの香りは、昔のポマードのような香りと言ったら、わかりやすいのではないでしょうか。
爽やかでフレッシュですが、色気のある香りです。
オリエンタル
一言で表現すれば、エキゾチックな香りですが、オリエンタルノートと呼ばれる香りには具体的に3つの特徴があります。
一つ目は、スイーツや蜂蜜のようなまったりとした濃厚な甘い香り。
二つ目は、お香や樹脂など、樹木を原料とした神秘的な香り。
三つめは、コショウやクローブ、ナツメグなどのスパイスの香り。
これら3つの特徴のうちひとつというわけではなく、それぞれが混ざり合った複雑な香りの香水になっていることが多いです。
「オリエンタル」というのは、欧米目線での「東洋」という意味なので中近東のイメージ。
オリエンタルノートは、濃密で重厚感のある香りで、大人っぽく色気のある雰囲気を演出できます。
高級感のある香りなので、ドレスアップした時などに似合う香りでしょう。
オリエンタルノートは日本ではどちらかと言えば上級者向けの香りのイメージが強いですが、だからこそ、この香りをさりげなくつけられるようになるとステキですよ。
香りの種類を知って、自分にぴったりの香水を見つけよう!
香水の香りには12種類の「ノート(香調)」があります。
それぞれ、全く違った特徴があり、その「ノート(香調)」の香水をつけると、あなた自身の印象も変わるもの。
ありのままの自分らしさを香水で表現するのもよし、なりたい自分を香水で演出するのもよし。
自分自身を表現するツールとして、香水を味方につけましょう。
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